論文・プレプリント

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学術論文

[17] Explicit bounds on torsion of CM abelian varieties over p-adic fields with values in Lubin-Tate extensions, the Pacific Journal of Mathematics に受理済.

▼概要

「Bounds on torsion of CM abelian varieties over a p-adic field with values in a field of p-power roots」 で理論上存在するとした定数に具体的な公式を与えています。 上記論文執筆時点で、今回の論文の定理2.3のようなものがあれば なんとかなるかなとは思ってはいたのですが、なかなかうまくいかず 困った困った…とか言っていたら、なんかいつの間にかうまく解決したっていう感じです。最後の§で計算結果を載せています。ぼくこういうのどうにも苦手で、n=10くらいまでずっと手で計算をしていたのですが、 所属の神奈川大学の技術職員さんに話してみたらあっさりとコードを作ってくれてn=200くらいまでの表を作ってくれました。感謝しかないです。

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[16] Bounds on torsion of CM abelian varieties over a p-adic field with values in a field of p-power roots, New York J. Math. 30 (2024), 422--435.

▼概要

Kp進局所体とし、そのすべての元のすべてのpべき根を添加した体をMとします。 久保・田口によって、潜在的に良い還元を持つK上のアーベル多様体A に対し、A(M)のねじれ部分群が有限になることが知られています。 この論文では、虚数乗法を持つアーベル多様体に限れば、久保・田口論文にあるA(M)の位数はKAの次元にのみ依る定数で上から抑えられますよということを示しています。

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[15] Torsion of algebraic groups and iterate extensions associated with Lubin-Tate formal groups, the Journal of the Mathematical Society of Japan, 75 (2023), no. 2, 735--759.

▼概要

[13] の論文で良い還元を持つアーベル多様体に対して適用可能だった結果を 可換代数群に適用できるようにしましたというものです。細かいことをいうと[13]のものよりもっと大きな体での有理点の話になってはいますけれども。

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[14] A note on highly Kummer-faithful fields, Kodai Mathematical Journal, vol 45, No. 1 (2022), pp.49--64.

▼概要

東工大の田口先生との2本目の共著論文です.遠アーベル幾何学で重要性が高まっている Kummer-faithfulな体よりも 広いクラスである highly Kummer faithful と呼ぶ体を定義して、その基本的な性質や具体例を述べています.Kummer-faithfulという性質を よりガロア表現的に特徴付けようとしているうちにこんな論文になりました.

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[13] Torsion of abelian varieties and Lubin-Tate extensions, J. Number Theory, No. 207 (2020), pp. 282--293.

▼概要

p進局所体上潜在的に良い還元を持つアーベル多様体を A とします.A の円分 Z_p 拡大に値をとる有理点のねじれ部分群 が有限であることは1975年に今井秀雄先生により示されていますが,この論文ではそれを一般化して,Lubin-Tate 拡大を考えた場合の話をしています.

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[12] Lattices in crystalline representations and Kisin modules associated with iterate extensions, Doc. Math., vol. 23 (2018), 497--541.

▼概要

Kisin 加群の理論は素元の p 冪根系を次々添加して得られる APF 拡大に依っています. 近年,B.Cais と T.Liu が それ以外のある APF 拡大に対して同様の理論を構築しました. このプレプリントでは クリスタリン表現の格子を分類する“線形”データを Cais-Liu の 一般化 Kisin 加群をもとに定義しています.(まだ一般には線形データといって良いものではないです. 古典的な Kisin の条件下に理論を限定するなら線形データといって良いものになるのですが.) また,高さ1の一般化 Kisin 加群と対応する p 可除群の Dieudonne crystal の 間の比較同型定理を証明しています.これは Kisin の条件下ではすでに知られているものであり, 僕の証明方法はそのケースに帰着させる感じです.

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[11] On Galois equivariance of homomorphisms between torsion crystalline representations, the Nagoya Mathematical Journal, vol. 229 (2018), pp. 169-214.

▼概要

[9] の主結果を改良して,その中の主定理と同じ充満忠実性定理を条件『e(r-1) < p-1』の下で示しています. これまで知られているねじれクリスタリンの充満忠実性定理としては最も一般的なものであり,これ以上の一般化は実質無理です. 実際『e(r-1) < p-1』が成り立たない場合,かなり多くの場合に充満忠実性定理が成り立たないことを示しました. もう少しいうと,次のようなことを考察しています: 完全体を剰余体に持つ混標数 (0,p) の完備離散付値体 K の絶対ガロア群を G_K とし、 K_∞ という、 基礎体 K の素元の適当な p 冪根系を K に添加した体の絶対ガロア群を G_∞ とします。 このとき、G_∞ の表現は Fontaine の理論により非常に簡単な線形データで分類されることが知られています。 なので、G_K の表現の情報が G_∞への制限でどの程度保たれているかということを知りたいという問題が考えられます。 その問題をねじれクリスタリン表現に対して考えた際に得られた結果の話です。 より正確には、G_∞ を含むような自然な G_K の指数有限部分群の列 G_K = G_0 ⊃ G_1 ⊃ G_2 ⊃ … が存在しますが、 G_∞ の情報からどの程度小さい非負整数 s に対する G_s の情報が分かるかということを考えました。

それから,法 p 表現を与えた際にそれがどれくらい小さい Hodge-Tate 重みをもつクリスタリン表現に持ち上がるのか ということを計算しました.「Hodge-Tate 重み r 以下のクリスタリンに持ち上がる」ということは Serre 予想の weight part で使われる手法で計算しています. 逆に「Hodge-Tate 重み r 以下のクリスタリンに持ち上がらない」ということは, 今回の充満忠実性定理や分岐バウンド,また Hodge 多角形と tame inertia 多角形の位置関係などを使っています.

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[10] Lattices in potentially semi-stable representations and weak (φ,Ĝ)-modules, Journal de Théorie des Nombres de Bordeaux, Vol 29, No 1 (2017), pp. 217--241.

▼概要

2010年頃に Tong Liu によって定義された (φ,Ĝ) 加群は半安定 p 進表現の格子を分類する線形データです。 一方、その定義の条件を少し緩めて定義される弱 (φ,Ĝ) 加群と呼ばれるものがあります。 それらの成す圏から潜在的半安定表現の格子の成す圏への充満忠実関手を Liu が構成しました。 その本質的像を決定したというのが主結果です。 これの証明の過程で潜在的半安定表現の格子を分類する線形データを作っているのですが、主結果よりもむしろこちらの方が今後何かに使える…かもしれません(これ自体は Liu の結果の直接的な一般化ですが、証明は Liu の色々な論文で得られた手法をまとめただけとも言えます)。

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[9] Full faithfulness theorem for torsion crystalline representations, New York J. Math, vol. 20 (2014), pp. 1043--1061.

▼概要

クリスタリン p 進表現の成す圏からのある「制限」関手が充満忠実であるという Kisin により示された定理があります.そのねじれ表現版です. 『er < p-1』というこの業界では比較的よく目にする仮定の下で主定理の充満忠実性を示していますが, この条件はおそらくかなりギリギリに近いものに思われます. (充満忠実性定理が成り立つ必要十分条件はおそらく『e(r-1) < p-1』…?) その根拠としていくつか例を挙げています.例の構成法は大きく分けて二つあり, 一つは「ガロアコホモロジーの計算」という純局所的な手法で,もう一つは「Serre 予想」という大域的な手法です. また,付録に(φ,Ĝ) 加群から来る表現がクリスタリンになるための必要十分条件を与えています. 必要条件が Gee-Liu-Savitt により示されており(今回の充満忠実性定理の証明にはそれで事足ります), この付録の中でそれが十分条件であることを示したということです.

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[8] On Galois equivariance of homomorphisms between torsion potentially crystalline representations: A resume, Algebraic Number Theory and Related topics 2013 -- a volume in RIMS-Bessatsu Series --.

▼概要

タイトルにあるとおりのものの概説です.

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[7] On congruences of Galois representations of number fields, Publ. RIMS, Kyoto Univ. 50 (2014), pp. 287--306.

▼概要

大雑把に言えば『大域体上の二つの l 進表現を与えた時に,法 l で(局所的に)合同であれば 元々の l 進表現として合同になるか』という問題を考え,考察した問題です.Rasmussen-Tamagawa 予想に対してアプローチをかける目的で 始まった研究でしたが,Rasmussen-Tamagawa 予想そのものには大きな進展は与えていません.そのかわり保型形式の例外素数に関する考察などが与えられています. 九州大学の准教授であり(2013年5月現在)、僕の元指導教官であり恩師でもある田口雄一郎先生との共同研究です。 そして僕にとっては初めての共同研究論文(プレプリント)です.

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[6] Torsion representations arising from (φ,Ĝ)-modules, J. Number Theory, No. 133 (2013), pp.3810--3861.

▼概要

半安定 p 進表現の格子を分類する線形データとして,(φ,Ĝ) 加群というものが Tong Liu によって 2010年の論文で定義されました. Breuil 加群も表現の格子を 分類しますが,その場合絶対分岐指数や Hodge-Tate 重みに上限がつくのに対し, (φ,Ĝ) 加群はその条件を必要としないのが大きな特徴です. このプレプリントでは, ねじれ (φ,Ĝ) 加群とそれに付随する表現に関する基本性質を整理しています. 例えば Cartier 双対定理であったり,ねじれ (φ,Ĝ)加群から来る表現の成す圏が アーベル圏であったりといったことを示しています. (ねじれ Breuil 加群から来る表現の成す圏がアーベル圏であるというのは X. Caruso の博士論文で示されていた.) また,(φ,Ĝ) 加群の極大極小モデルを定義し,基本性質を証明しています. これは Raynaud による有限平坦群スキームの極大極小モデルの遠い親戚のようなものです.

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[5] Non-existence of certain CM abelian varieties with prime power torsion, Tohoku. Math. J. No. 65 (2013), pp. 357--371.

▼概要

Rasmussen-Tamagawa 予想を, アーベル多様体の Tate 加群のガロア像がアーベルという仮定の下で証明しました. 系として,定義体上で CM を持つアーベル多様体に関する Rasmussen-Tamagawa 予想が終わったことになります.

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[4] Torsion representations arising from (φ,Ĝ)-modules: A resume, Algebraic Number Theory and Related topics 2011 -- a volume in RIMS-Bessatsu Series --.

▼概要

似たような名前の論文の概説です.

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[3] Non-existence of certain Galois representations with a uniform tame inertia weight: A resume, Algebraic Number Theory and Related topics 2009 -- a volume in RIMS-Bessatsu Series --.

▼概要

すぐ下にある論文の概説です.

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[2] Non-existence of certain Galois representations with a uniform tame inertia weight, Int. Math. Res. Not., volume 2011, No. 11 (2011), pp. 2377--2395.

▼概要

『uniform tame inertia weight』という条件を考え, 十分大きい l に対してそのような l 進表現が(いろいろな状況下で)存在しないことを示しています. 応用として Rasmussen-Tamagawa 予想と呼ばれるアーベル多様体の個数の有限性予想を,『至る所半安定還元を持つ』ようなアーベル多様体に限った時に 証明しています(実際にはもっと一般の形で示しています.『至る所半安定還元を持つ』ようなアーベル多様体に限った時は、予想は、厳密には Rasmussen さんと玉川先生が随分前に示していました.).

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[1] Torsion points of abelian varieties with values in infinite extensions over a p-adic field, Publ. RIMS, Kyoto Univ. 45 (2009), pp. 1011-1031.

▼概要

Ap 進数体 K 上のアーベル多様体とし,LK の(無限次)代数拡大とします. AL 有理点の成す群 A(L) のねじれ部分群がいつ有限になるかということを調べたということが この論文の主題です.Kが代数体ならばこの手の類の問題に対しては多くの結果があるのですが, p 進数体の場合には意外にもあまり結果がありません.最も有名なのは 1975年の今井秀雄先生による次の結果だと思います: A が良い還元を持ち,LK の円分 Zp 拡大のときは A(L) のねじれ部分群は有限. 論文の前半では,Aが通常の良い還元を持つ際に A(L)の p 冪等分点の成す群が有限になるための条件について議論しています. 特に,Lが 1 の p 冪乗根をすべて含む場合には有限性に関しての必要十分条件を与えています. 後半では楕円曲線を二つ取ってきたときに考えられる上記の有限性問題の特別な場合について議論し, 二つの楕円曲線の還元型に主に依っているという結果を得ています.

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プレプリント

[1] Some Kummer extensions over maximal cyclotomic fields and a finiteness theorem of Ribet, 作成中


Appendix

[1] Hui Gao, Breuil-Kisin modules and integral p-adic Hodge theory (with app. A by Yoshiyasu Ozeki, and joint app. B with Tong Liu), to appear, J. Eur. Math. Soc.


ポスターセッション

[1] 「Cartier duality for $(\varphi, \hat{G})$-modules」, Forum``Math-for-Industry" 2011 ``TSUNAMI - Mathematical Modelling" Using Mathematics for Natural Disaster Prediction, Recovery and Provision for the Future East-West Center, University of Hawaii, 2011年 10月.


博士論文

Non-existence results on certain Abelian varieties


報告集など

On congruences of Galois representations of number fields,第8回福岡数論研究集会の報告集

ねじれクリスタリン表現の充満忠実性定理について,第7回福岡数論研究集会の報告集


書籍関連

・【寄稿】学問への誘い, 『大学入学から数学者になるまで、その一例』, 記事

・【書評】『Peter Schneider,"Galois Representations and (φ,Γ)-Modules",Cambridge Studies in Advanced Mathematics 164,2017年,vii+148ページ』 雑誌『数学』2019年10月 秋季号,第71巻 第4号,『数学』のページ

・【受賞者へのコメント】第15回神奈川大学全国高校生理科・科学論文大賞 優秀賞論文 『"頂点の対面への正射影が三角形の五心になる四面体の形状",滋賀県/滋賀県立彦根東高等学校 SS部 数学班』, 未来の科学者との対話15,日刊工業新聞社, 『未来の科学者との対話』のページ


E-mail: ft101992yp(at)kanagawa-u.ac.jp

Kanagawa University, Kanagawa 259-1293, JAPAN.