学科主任からのメッセージ
「もの」や「現象」を数学や物理の言葉でどのように表現し考えるかを学び、その経験が社会の中でも役立つような教育を目指しています
人間は言葉で物事を捉え理解しています。数学や物理で扱う「もの」や「現象」を捉え理解するためには、そのための言葉が必要になります。数学や物理における考え方を学ぶということは、「もの」や「現象」をどのように言葉で表現し、その言葉をどのように使うかを学ぶということになります。しかし数学や物理で用いられる言葉が指し示すものが現実に存在しているとは限りません。例えば数学での“点”はユークリッドの『原論』では“点は部分をもたないものである”と定義されますが、実際に点を描けば部分がありますので、“点”という言葉で表されるものは現実の世界ではどこにも存在しません。数学や物理の言葉で表現されるものは現実には存在しなかったり見えなかったりするにもかかわらず、数学や物理が実際に世の中で使われ役立っているのはとても不思議なことです。
仮に微分積分学の基本定理や万有引力の法則そのものが卒業後に直接役に立つ機会はなかったとしても、それらを学ぶ過程での《言葉で表現し論理的考える》という経験は卒業後いろいろな場面で生きてくると確信しています。

数理・物理学科
教授 酒井 政美
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