インストールと基本的な実行法
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公式ページ等から
sttool-1.4.zip
をダウンロード.
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自動的に展開されないのであれば展開する.
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STTool.jar をクリックするか,
java -jar STTool.jar
をターミナルから実行.
使い方1
ある一人のアクター内でのゴールを分析します.
(SRモデルの一部)
- 起動,セーブ,ロード(下記注意を参照).
[JPG]
(サンプルデータ [XML],
[JPG])
- 本日使うボタン群 [JPG]に着目.
- アクターの作成.
- アクター境界の表示 (Collapsedボタン)
[JPG],
ちなみにトグルになっているので,表示/非表示ができます.
- アクター内のゴール,ソフトゴール,タスクの分解(Composilition).
- AND分解
[JPG]
(デフォルト; 親となるゴール類の上で新ゴール類を作成すると自動的に分解)
[JPG]
- OR分解
[JPG]
(親の時点でAND/ORを選んでおく)
- 既存ゴール等間の分解関係の設定
(まず子供を選択してから親を選択して関係を張ります).
- ゴール等間の貢献(Contribution)関係の設定
(コレは原因から結果へ張ります)
.
[JPG]
TIPS
- ゴール,タスクの切り分け
- タスクは人やシステム,機械が遂行する具体的な作業(手順)に相当する.
「なんかをする」,「Do something.」等の表現が普通か・・・
- ゴールは達成したい条件や状態に相当する.
遂行手段はわからないが達成したいことと考えても良い.
よって,
「顧客が満足している」とか「売り上げ10万以上」とか状態を示す表現が普通か.
- ソフトゴールはゴールと同じく状態に相当するが,
達成の可否をデジタルに判断できないゴールに相当する,例えば,
「気持ちいい」とか「使いやすい」とか「節約」とか.
使い方2
アクター間の依存関係,As-isモデル,To-beモデルを作成します.
- リソース: ゴール達成のため利用される情報や物.
具体的には権利やデータやメッセージ,ハードウェアに相当する.
図では四角で書く.
[JPG]
- 依存関係 (dependency)
-
アクター間(実際にはアクターの持つゴール等)の依存関係を記載する.
- 依存内容を提供するアクター(dependee)の方に矢先が向いているように
記載する.依存しているアクター(depender)は矢元.
(下記例で確認のこと)
- ゴール依存: dependeeがdependerのゴール達成に責任持つことを表現.
[JPG]
- ソフトゴール依存: 上記とほぼ同じ
[JPG]
- タスク依存: タスクを遂行もしくは起動するほうがdependee.
[JPG]
- リソース依存: リソースを生成・提供するほうがdependee.
[JPG]
- 依存関係は大雑把にはアクター間につけられます(SDモデル)が,
厳密にはアクター等の持つゴール等間につけます(SRモデル).
(例)
SRモデル [JPG],
SDモデル [JPG]
- As-isモデル: 情報システム等を導入する前の「現状の」業務等の形態を
明らかにするのに使います.
いままでの例はすべてas-isモデルと考えて結構です.
- To-beモデル: 情報システム等の導入を仮定した「あるべきの」業務等の形態を
表現するのに使います.
- 「情報システム」や「・・・システム」みたいなアクターを導入する.
- システムアクターは,従来,人が責任や達成(依存)を担っていた
ことを「肩代わり」できるような能力を有しなければならない.
- 肩代わりができない(予算的,技術的その他)ようなら,
システムを導入する価値がないという判断になる.
- より多くの依存を肩代わりできるシステムを構築可能なら,
情報システムを導入する価値はあるし,
依存関係の情報がシステムの持つべき機能や特性の仕様となる.
- 例題については下記を参照.
注意他
- 日本語は使えません.
特殊文字(/や[等)もほとんど使えません.
-
保存する際のファイル名やパス名も日本語はダメです.
(Winのデスクトップやユーザー名を日本語にしている場合,要注意)
-
ウインドウ隅の[x]ボタンで閉じるとデータをセーブせずに死にます.
要注意.
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結果として,ファイル名やゴール名等は英語もしくはローマ字でお願いします,
イタリア語とかは使わないでください(講師陣が理解できません).
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サンプルデータをダウンロードする際,拡張子が標準の .goal から,
.xml に勝手に変更される場合があります.
本ツールでは拡張子には大して意味はないので,
ファイル読み込みの際,すべてのファイルを指定してよんじゃってください.
[JPG]
例題・サンプル
単独アクター編
-
ある商品(乗用車等)で満足を得ようとする顧客のモデル化
[XML], [JPG]
-
図書館利用者についてのモデル化
[XML], [JPG]
-
NHKロボコン
のロボットのモデル化 (ただし位置認識のみ)
[XML], [JPG]
(バグ修正 Nov 8 20:07:51 JST 2006)
SD/SRモデル
- 不穏な大学入試
[XML],
SRモデル [JPG],
SDモデル [JPG]
As-is/To-be
- 会議開催
As-is
[XML], [JPG],
To-be
[XML], [JPG].
- 電車のチケット販売と改札
As-is
[XML], [JPG],
To-be
[XML], [JPG].
(修正 Nov 21 18:13:22 JST 2006)
練習問題1
「NR北日本」という架空の旅客鉄道会社についての戦略目標に関する記述を
文章で記載した.ST Toolを使い状況を記述(モデリング)せよ.
尚,状況や仮定,懸念等は各自,適宜追加してよい.
NR北日本は海足線の輸送能力の強化を目標に掲げた.
そのために,
列車の到着頻度を上げるか,
もしくは一列車でより多くの乗客を運ぶことができるようにするかを検討した.
具体的な方策として,
列車のスピードをあげたり,列車本数を増やしたり,
線路を二重化したり,列車の定員拡大(例えば列車長や二階建て化)が検討された.
無論,旅客への安全性の確保,コスト,
既存サービスの維持,
そして目標達成の時期が早いこと
等も考慮にいれて意思決定をする必要がある.
(練習なので提出の必要はありませんが,
後日,希望者に結果を発表してもらいます.)
解答例
[XML],
[JPG].
練習問題2
ある授業では学生がレポートを提出場合,印刷して教員の指定する場所
(教員室前の箱等)におく方式をとっている.
この場合,
学生にとって,
印刷の手間や紛失の恐れ,レポート受諾の確認の遅れなどの問題点がある.
教員にとっては,個々のレポートの見易さがある一方,
他人のレポートを写したものを探すのが困難である点もある.
各自の知りうる技術を使い情報システム(もしくは機械)を導入することで,
本業務に何らかの改善があるか否かを分析せよ.
(練習なので提出の必要はありませんが,
後日,希望者に結果を発表してもらいます.)
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