Title: ソフトウェア仕様記述過程分析のための基礎実験
Authors: 池克俊, 海谷治彦, 佐伯元司, 本間学.
Source: 情報処理学会研究報告89-SE-68, Vol. 89, No. 81, pp. 33-40, Sep. 1989. ソフトウェア工学研究会.
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本論文では,人間がソフトウェアの仕様を作成する過程の履歴をとり, その分析を行なった結果について述べる. 仕様の作成過程は,まず作ろうとするソフトウェアを理解し, そのメンタルモデルを作り上げる過程と, それをもとに仕様を記述する過程の2つに分けられる. 我々は,ビデオカメラを用いて,被験者が各生成物を作成してゆく過程を記録した. 具体的には,電車の切符の自動販売機を例にとり,被験者がこのシステムを理解 するために書いたメモ,自然言語仕様,状態遷移図,データフロー図を, どのように作成していったかの履歴をとった. これらの記録を分析することにより,メンタルモデル, 状態遷移図,データフロー図作成の流れを抽出する. これら3つの流れを種々の観点から比較,検討し,類似点と相違点を分析する. この実験の目的は,人間にとって自然な思考過程を反映していると思われる メンタルモデル作成過程と,状態遷移図やデータフロー図といった形式的仕様作成過程 の相違点を調べることにより,形式的仕様作成過程に含まれる, 人間にとって不自然な作業を洗いだすことである. これにより,人間にとって自然な仕様作成過程,およびその支援ツール開発への 足掛かりとすることができる.
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